埼玉から房総へ・ちんたら一般道ドライブ【終編】
3日目・千倉から舘山へ~そして帰宅・編
「ねえねえぇ...もう起きないとぉ~」
めずらしく今朝は妻に起こされた。
「ん?...何時?」
「7時5分過ぎだよぉ~!」
「あれ?...朝ゴハン何時からだっけ?」
「7時半から8時の間に1階のレストランに来て下さいって昨日言われたでしょぉ~!」
そうでした^^;...。そんなこと言ったって...、
おまえだってまだパジャマじゃんかよ~!一瞬早く起きただけだろうが~!
だいたい普段は誰が起こしてやってると思ってんだ~?!
などとは思ったが決して言わずに身支度を急いだ。
庭が見渡せるレストラン。庭の植木の向こうには太平洋が覗いている。
テーブル脇の出窓には極楽鳥花が飾られていた。
本当に鳥のように見えるこの花の正式名称はストレリチアというらしい。
「やっぱりこのホテルの売りになってる花だから飾られてるんだねぇ~」。
「はぁ?そうなの?」
「ホテルのパンフに載ってたじゃない?」
全然気がつかなかった...。
「お庭の極楽鳥花はまだ咲いてないけどねぇ~」。
「はぁ?どこにあるの?」
「ほらぁ、あそこ」。
と言って庭先を指差したところを見ると...たしかにある。
全然気がつかなかった...。
さすがに花好きの妻、目ざとく見つけていたことに感心する。
やはり海の幸たっぷりの美味しい朝食だった。
昨晩の大食をものともせず完食!妻が残したものも完食!
しあわせいっぱい腹いっぱい!頭の中はカ~ラッポ!...
を地で行く僕は...満足じゃ~のお腹を抱えレストランをあとにした。
部屋に戻り、珈琲を飲みながら大まかな今日の予定を決める。
「どうする?」
「千倉はもういいかなぁ~」。
「お花摘みはいいの?」
「もうじゅうぶん見たし...お花を摘んで帰るにはまだ時間が早いし...」。
「それじゃあフラワーラインをズンズン走るか!?」
「そうだね!」
ホテルをあとにした僕たちは、迷うことなくフラワーラインに向かった。
410号線より海岸線を通っている251号線に入る。
しばし走ったところで二人して声を上げた
「うわあぁ~!すんごい!キレイィ~!」
ほぼ直線の道の両脇が黄色に染まっている。
菜の花がズラリと並ぶその道は、まるで春へ向かってゆくタイムマシンのようだ。
そんな菜の花ロードが3kmほど続き、本道である410号線に合流する。
まだまだこの辺も花の栽培が盛んなようだ。
車窓に流れるお花畑...「うわぁ~きれい」、「うわぁ~すごい」...、
その合間に花の名前が入りつつ連続する妻の嬉しそうな声...ちとうるさい...
道は空いている。順調に塩浦、名倉を通り過ぎる。
そろそろ休憩かな?そんな頃に野島崎の道路標識が目に飛び込んできた。
「野島崎灯台かぁ~...懐かしいな。また寄ってみるか?」
「うん、寄ってみようよぉ」。
ガラガラの駐車場のできるだけ灯台に近い場所に車を停めた。
灯台から眺める丸い太平洋に地球を感じる。
「あそこに見えてる島って...大島?...だよねぇ~?」
「そうだな。大島だな。いがいと近くに見えるな~。」
天気の良さも手伝い、ハッキリクッキリよく見えた。
20年前の夏に訪れた時は灯台に登っただけだったような気がする。
思い出話をしつつ、灯台の脇から延びる遊歩道を歩いた。
灯台のその先は、房総半島最南端の地である。石碑もある。
ふと、6~7mの高さのある大きな石の上に目がいく...何かがある?!
「なんだあれ?...ベンチ?...だよな!」
登ってみたくなった僕は妻を置き去りにさっさと登ってみた。
絶好のサンライズポイントらしい。そう書かれた標柱もある。
「いい眺め~」 サンライズポイント...まったくもって納得の眺め
妻も登ってきた。眺めに感心している。
少し強い、少し冷たい海風を感じつつ、二人でベンチに座り、しばし太平洋を眺めた。
410号線を房総半島の先端に向かってひた走る。
途中、房総半島をグルッと回るために257号線に入った。
海の近くに建つ素敵なお家が目立つ...ちょっと羨ましい...。
いいね~、素敵だね~、あっ今の家かっこよかった!などと言いつつ走る。
南国感たっぷりのペンションなども時折見かける。
西岬の先端、洲崎を周った。舘山湾が左に見える。
その向こうに見えるのは三浦半島。まるで対岸ではないように近くに見える。
いくつもの小さな漁港を通り過ぎながら快調に走った。
るるぶを見ていた妻が突然言い出す。
「イチゴ狩りして行こうかぁ~?!」。るるぶの記事で発見したらしい。
もちろんイチゴ大好きイチゴ大食漢の僕は即大賛成。
舘山市に入ってすぐのところにあるらしい。
すぐに見つかったイチゴ狩りのハウス。思っていたよりもかなりデカい。
よ~し!食べるぞ~!なんてったって食べ放題
広~いハウスの中に5種類ほどのイチゴが~~~
ハウスの中を縦横無尽に歩き回る飢餓状態のイチゴ狩猟民族よろしく、
プチっとは食べプチっとは食べ~の...。
60個までは数えてたけど...もうわかんな~い状態に...。
80個は楽にクリアしているはず...
章姫、紅ほっぺ、とちおとめ、さがほのか、あすかるびー。
妻のお気に入りは章姫、僕のお気に入りは紅ほっぺ。
味の違いを確認しながらの...楽しい、ゲップ、イチゴ狩りでした~
タップタプのイチゴ腹を抱え、ゲップ...館山市街地を通過。
ここで127号線に乗り換えた。
富浦に入り、南無谷崎を抜けた時に...見えた!
小学生の頃、夏になると毎年のように見ていた懐かしい風景...西ヶ崎。
西ヶ崎を右に見る岩井海岸には何回行ったのだろう?
浜辺を歩き、あの西ヶ崎まで何回行ったことだろう?
小学生の内はずっと来ていたような記憶がある。
当時のことを楽しく思い出しながら運転していると、まもなく岩井駅前を通過した。
この駅に降り立ち、岩井海岸近くにある民宿まで歩いたあの夏の日。
しかし駅前は見る影もなく変わっていた。
41年前のこと...当たり前のことなのだが...。
懐かしく感じている僕を気遣ってか、妻が言う。
「海岸まで歩いてみる?」。
...「いや、いいよ」。
思い出は心の中に...と思う...。
鋸南町に入り、道の駅きょなんで休憩をとる。
ここは小さな道の駅ではあるが、
なんとあの見返り美人で有名な菱川師宣記念館があった。
すでにお昼は過ぎていて、いくぶんお腹も空いている。
しかしながら妻が言う...「もう軽めでいいなぁ~...」。
そう言うのも無理はない。妻にしては旅道中よく食べた。
イチゴの食べ放題がダメ押しにもなっている。
都合よく、この道の駅にはお蕎麦屋さんが出店していた。
食後、お花屋さんが出店していたので覗いてみる。
お花を見ながら妻が言う...「お花摘みしなかったなぁ~...」。
そうなのだ。お花畑をたくさん見すぎたせいで満足していた妻。
僕にしてみれば、今さらぁ~である。
「でも安いねぇ~...お花摘みするより安上がりだよぉ~!買ってこ!」。
現実的な妻のお言葉に、ホッ
たくさんのお花を抱え、車に積み込む妻の笑顔にホッである。
車に乗り込み.........「どうする?」...顔を見合わせる。
「帰ろうかぁ~!...ルビーが待ってるぅ~!」。と笑顔で言う妻。
「そうだな。帰るか!ルビーが待ってる!」...とは答えたが...、
妻よ^^;...本当にルビーのことが一番心配なんだね~...
127号線をひたすら走る。木更津からの16号線もひたすら走る。
千葉駅近辺が混んではいたが、ほぼ順調に走る。
野田市を抜けてぇ~~...\(^o^)/埼玉県~
気を抜いてはいけない...事故なく無事に帰らねば...安全運転安全運転
なにしろルビーが待っている...
春日部、岩槻、蓮田、久喜を抜けて鴻巣へ。
午後9:15......無事、我が家に到着~~
荷物を抱えて玄関を開ける...「ただいまぁ~」。
声を聞きつけたのか、階段の踊り場からまんまるな可愛いまなこが覗く。
僕たちを確認すると階段を駆け下りて来た...ンニャンニャ言いながら...。
どこ行ってたのぉ~、と言っているような気がする。
「ルビ~~~」
二人のハモリ声が...玄関に響いた...。
※またまた長~~くなってしまいました...最後までお読みいただき...感謝m(_ _)m